映画『ドクターデスの遺産』ネタバレあらすじ感想

映画『ドクターデスの遺産』作品情報

今回の絶対おすすめ映画は『ドクターデスの遺産』です。

『ドクターデスの遺産』は綾野剛・北川景子さん主演のサスペンス映画です。

安楽死がテーマになっていて、考えさせられる作品でもあります。

それでは『ドクターデスの遺産』の映画紹介です。

『ドクターデスの遺産』は2020年に公開された日本映画です。

上映時間120分。

原作は中山七里の同名小説。

監督は深川栄洋監督。

『トワイライトささらさや』『神様のカルテ』などを監督しています。

【キャスト】

犬養隼人…綾野剛

高千穂明日香…北川景子

沢田圭…岡田健史

室岡純一…前野朋哉

青木綾子…青山美郷

馬籠小枝子…ホーチャンミー

犬養沙耶香…田牧そら

麻生礼司…石黒賢

寺町亘輝…柄本明

雛森めぐみ…木村佳乃

ほか。

映画『ドクターデスの遺産』は実話

「ドクターデスの遺産は実話なのか？」ということが話題になっているようですが、物語自体は実話ではないのですが、モデルになった人物がいます。

モデルとなった人物はアメリカの医師で病理学者のジャック・ケヴォーキアンと言われています。

ジャック・ケヴォーキアンは安楽死を肯定して、装置を作って実際に130人以上を安楽死に導き、刑務所に服役しています。

映画『ドクターデスの遺産』ネタバレ・あらすじ

土砂降りの中、公衆電話から1人の少年が警察に電話をしています。

少年は「見知らぬ医師と看護師がやってきて父親の命を奪った」と警察に話しました。

警視庁捜査一課の刑事である犬養(綾野剛)と高千穂(北川景子)は、通報してきた少年の父親の火葬場に行き捜査を開始しました。

犬養は火葬を中止させて遺体を解剖にかける決断をし、部下である刑事の沢田圭(岡田健史)に指示をして遺体を鑑識に回します。

犬養には生まれつき腎臓の病気を患っている娘の沙耶香(田牧そら)がいました。

沙耶香はドナーが見つからなければ、厳しい治療を続けなくてはいけない状況でした。

犬養自身の腎臓も沙耶香に移植できませんでした。

少年の父親は肺がんが原因で闘病生活を送っていましたが、辛い痛みと治る見込みがないことから本人から命を絶ってくれと妻の小枝子(ホーチャンミー)に頼んでいました。

解剖をした遺体からは塩化カリウムが検出され、警察は何者かが意図的に塩化カリウムを注入したのではと疑いを強めました。

警察が付近の監視カメラを調べると、主治医が来る1時間前に別の医師と看護師が出入りしている姿が映っていました。

犬養と高千穂は小枝子に取り調べを行います。

小枝子は夫が苦しんでいて命を絶ってくれと願っていたことや、限界が来ていて家族全員で命を絶つことも考えたことを話し、「あのお医者さんが救ってくれた」と取り調べで話しました。

小枝子はサイトを通じてその医師に安楽死を頼んでいました。

警察は小枝子が保険金目当てで犯行を行ったのではないかと一瞬疑いましたが、最後が受け取れる保険金はたったの10万円だけでした。

小枝子がサイトから安楽死を希望すると、自宅に医師と看護師が一人ずつやってきました。

医師は塩化カリウムを注射器で注入すると、1時間経過したら主治医を呼ぶようにと小枝子に言い残して去っていきました。

小枝子が安楽死を依頼したのはドクターデスを名乗る医師でした。

報酬を受け取らず、無報酬で依頼を受けて犯行に及んでいるようでした。

高千穂はドクターデスが実際に存在したイワン・ケヴァニコフという医師に影響を受けていると考えました。

イワン・ケヴァニコフは塩化カリウムを用いて130人もの人間を安楽死させた医師です。

解剖すれば死因が不審であることに気が付きますが、解剖を行わずに火葬してしまっていたら誰にも気づかれずに安楽死の処置をしていたことになります。

犬養と高千穂の上司である麻生礼二(石黒賢)は、今回の件以外にも同様の事件が多数起きていると睨みました。

犬養もドクターデスを名乗る人物のやり方に激しい憤りを覚えていました。

犬養と高千穂はドクターデスのサイトをくまなく調べ、コメント欄にヒントが隠されていると考えました。

かつてドクターデスに仕事を依頼した人物が、コメントをしている可能性があると思ったからです。

サイトのコメント欄からドクターデスに安楽死を依頼した人物たちを洗い出し、犬養と高千穂は接触を図ります。

ドクターデスと面識のある人間たちを集め、似顔絵を制作しました。もちろん小夜子もその中に含まれています。

しかし、似顔絵を書くために特徴を聞き出したものの、それぞれが話す特徴は面白いほど食い違っていました。

警視庁はさらに捜査を進め、ドクターデスと犯行を共にしていると思われる看護師の身元を割り出すことに成功します。

ドクターデスに協力していると思われる看護師の正体は、雛森めぐみ(木村佳乃)という女性でした。

雛森は元々看護師として病院に勤めていましたが、5年前に病院を辞めて現在は養鶏場で働いています。

犬養と高千穂は養鶏場を訪ね、雛森に接触し連行しました。

取り調べの際に雛森は「臨時のアルバイトの求人を見て手伝っただけで、安楽死の手伝をしているという自覚はなかった。鎮痛剤売ってるのだと思った」と供述しました。

雛森はこれまでドクターデスと一緒に8人の人間を処置してきたと話しました。

雛森は安楽死ということは全く知らなかったことを主張し、警察が雛森の家を家宅捜索しても確かになんの証拠も出てきませんでした。

麻生は雛森を一旦釈放することに決めます。

高千穂らは麻生の決定に驚きますが、阿蘇には思惑があり、意図的に雛森を泳がせてドクターデスが接触してくるのを待つという作戦でした。

雛森を監視するのは同じく刑事の室岡(前野朋哉)と青木(青山美郷)でした。

犬養は釈放される雛森に自分の名刺を渡し、いつでも連絡してほしいと告げました。

犬養は取り調べの際に感情的になり、自分の娘が腎臓を患っていることを雛森に話していました…。

雛森は、もしも刑事さんの娘が楽になりたいと言ってきたらどうするのか？と犬養に質問しました。

犬養はそんなことを言うはずがないと怒り狂い、高千穂が慌てて止めに入りました。

娘の沙耶香はちょうど同じ病室で仲の良かった少年が亡くなってしまい、気を落としていました。

お見舞いに来た犬養もその事実を知り、誰もいない自宅に戻った後に味気ない弁当を食べながら亡くなった妻と娘と沙耶香と一緒に行った湖を思い出していました。

高千穂は気になっていたことを犬養に話します。

似顔絵の捜査官だった経験がある高千穂は、人間が反射的についてしまう嘘があると話し、それぞれの似顔絵の矛盾点を指摘し、新たな似顔絵を作り出すことに成功します。

ドクターデスと接触をしたことがある人間に新たな似顔絵を見せたところ、「間違いなくこの男です」という答えを得ることができました。

ドクターデスの犯行はテレビのニュースでも取り上げられるようになり、捜査はさらに本格的になっていきました。

鑑識が依頼をした人たちの家から特殊な地質が発見されたと言い、その地質は都内で3箇所からしか採れないことを突き止めました。

これによって範囲が狭められ、犬養や高千穂をはじめ刑事たちは似顔絵を持って総動員で聞き込みを開始しました。

沢田が車を止めてお弁当を食べていたタクシー運転手に聞き込みをすると、見事に目撃証言を得ることができました。

似顔絵の男は寺町亘輝(柄本明)という男性で、犬養たちから1度は逃亡を図りますがあえなく逮捕となりました。

寺町には末期癌を患う人間の命を奪って服役していた過去がありました。

取り調べで容疑を突きつけられる寺町でしたが、動揺した様子は全くなく「証拠があるのか？ないんだろ？」と挑発していました。

寺町が捕まったのと同じタイミングで、雛森の行方が分からなくなったという情報が入りました。

犬養と高千穂は雛森の住むアパートに行き、玄関のドアを破壊し中に踏み込みました。

雛森の部屋の中には、これまで安楽死させて来たであろう人間達の顔写真が張り巡らされていました。

部屋の片隅には犬養の名刺が破り捨てられていました。

ドクターデスの正体は寺町ではなく、雛森だったのでした。

寺町から雛森の居場所や連絡先を聞き出そうとしますが、寺町は連絡先も全くわからないといい、連絡手段はいきなりフラッとやって来て日時を伝えてくるだけだったと話しました。

寺町は、苦しんでいる人間を苦しませずにあの世に送り出している雛森は凄い人だと話しました。

行方不明となっている雛森は、犬養の娘の沙耶香が入院している病院に潜入していました。

白衣を着てカウンセラーだと偽って沙耶香に接触し、心が落ち着くからといい自作してきたハーブティーを飲ませ、沙耶香に対して「父親がもう限界を迎えていること、ドナーを待つということは他人の死を望んでいることと同じ」など、沙耶香から生きる希望を奪うような発言を浴びせました。

ハーブティーに何か入れられていたのか沙耶香はそのまま意識を失ってしまい、目を覚ますとタブレットが置かれていて、ドクターデスのサイトが表示されていました。

雛森に洗脳されてしまった沙耶香はサイトを通じてドクターデスと連絡を取るようになり、安楽死の依頼をしてしまったのでした。

ドクターデスはその病院の中では願いを叶えることができない、希望の場所はありますか？とメッセージを送りました。

沙耶香は家族で行った思い出の場所を希望の場所として返信しました。

ドクターデスから犬養に連絡が入ります。

ドクターデスは自分が行なってきたことの正当性を犬養に訴えました。

犬養はドクターデスの行いを全否定し、感情的にドクターデスを罵りました。

犬養とドクターデスの通話記録を解析した結果、救急車の音がしたことからドクターデスが病院の屋上から電話をしてきたことがわかります。

沙耶香はドクターデスとチャットでやり取りをしていて、言われるがままに地下駐車場へやってきていました。

沙耶香は犬養に電話をして「お父さんごめんなさい」と謝ってきました。さらに怖くなってきた沙耶香は犬養に助けを求めました。

何が何だかわからない犬養は、沙耶香が入院している病院に向かいました。

すでに沙耶香はドクターデスに連れ去られた後で、病室にもどこにもいませんでした。

平常心を失っている犬養の携帯電話に、ドクターデスから連絡が入ります。

ドクターデスは沙耶香から依頼されて今一緒にいることや、娘の旅立ちを見送りたいのなら家族の思い出の場所に来るように犬養に伝えました。

普段から犬養は高千穂に車を運転してもらって移動していましたが、犬養は高千穂にボディーブローを食らわせ、その隙に鍵を奪って1人で車で現場へと向かいました。

コテージに到着した犬養は沙耶香がベットで横たわっていることに気がつきます。

沙耶香の腕には点滴がセットされていて、スイッチひとつで塩化カリウムが注入される仕掛けが仕組まれていました。

沙耶香を救い出そうと近づいた犬養は、背後からドクターデスによって首元に何かを注射器で注入されてしまいます。

朦朧とする意識の中で犬養は必死に抵抗をしますが、危機的状況は変わりません。

そこへ後から駆けつけた高千穂が現れ…

果たして犬養と沙耶香は無事にピンチを脱出できるのか…

ドクターデスが向かう末路は…

衝撃の結末は本編をご覧ください。

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映画『ドクターデスの遺産』感想・評価

映画『ドクターデスの遺産』の感想ですが、率直に言うと「まぁまぁ」という評価です。

決してつまらないというわけではないのですが、「面白かった！」と手放しで言えるレベルの作品ではなかったかなと思います。

せっかく映画なのにテレビドラマのようなテイストだったんですよね。もう少し作品全体に重厚感があったら良かったのになと感じました。

綾野剛さんも北川景子さんも素敵な俳優だし女優さんだと思うのですが、あまり魅力が活かされていなかったような気もします。

綾野剛さんは役柄によって声を変にダミ声にして喋ってしまう癖があると感じているのですが、ドクターデスの遺産の犬養を演じている時もその癖が出てしまっていて、個人的に変にダミ声で話すのが苦手なので少し残念でした。

※あくまで個人的に苦手な癖というだけで、綾野剛さんは素敵な俳優だと思っています

この『ドクターデスの遺産』が北川景子さんの綺麗さに負けてしまっているのか、僕自身の問題なのか分かりませんが、北川景子さんが綺麗すぎるせいで物語があまり頭に入ってこない問題が発生しました。

これは僕自身の問題なだけかもしれませんが…北川景子さんがアップになるたびに「すごい整った顔してるなぁ」としみじみ思ってしまう自分がいました。

ただ他の出演作品だとそんなことはないので、あまり映画の世界に入り込めていなかったせいなのかもしれません。

圧巻の演技を見せてくれていたのは柄本明さんで、出番が少ないながらも怖いぐらい印象残してくれています。

ドクターデスを演じた木村佳乃さんですが、木村佳乃さんは何か最近こういう役が多いように感じます。

ただ個人的には「演技をしている感」をすごく感じてしまって、冷めてしまったのが正直な感想です。

舞台とかだとすごいしっくりくる演技だと思うのですが、周りのキャストの演技がナチュラルであればあるほど浮いてしまう感じがします。

これも個人的な好みの問題だとは思いますが…木村佳乃さんのファンの方が見たら気分を害してしまいますよね、すみません。

安楽死というテーマについては、映画の感想を言う場所なので自分の考えは控えさせて頂きますが、色々考えさせられる作品でもあります。

あ、綾野剛さんの娘役を演じた田牧そらさんの演技が素晴らしかったです。この子の演技が素敵だったのでとても感動しました。

100点満点という評価ではありませんが、十分見応えのある映画です。

気になった方はぜひ一度鑑賞してみてください。

映画『ドクターデスの遺産』

その医師を、追ってはいけない

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