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太宰治『人間失格』感想・評価 時を越えて心に響く名作

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太宰治『人間失格』感想・評価 時を越えて心に響く名作

こんばんは、M&Oです。

今回は太宰治の『人間失格』について書いていきたいと思います。

 

小栗旬さん主演で映画化されて(映画タイトルは『人間失格 太宰治と3人の女たち』)話題になっていた『人間失格』ですが、実は僕はこの映画を観ていません。

小栗旬さんはとても好きな俳優なので最初にこの映画の情報を聞いた時はかなりテンションが上がったのですが、映画館で観なかった要因は監督が蜷川実花さんだったからです。

完全に個人的な好みの問題になると思いますが、僕は蜷川実花さんが映画監督としては好きではないのです。

好きな人にはごめんなさいなのですが、画的なこだわりがあるのはいいのですがそればっかりになっているような印象をこれまで受けていたので、蜷川実花さんの監督作品は『他の監督で観たかったなぁ』と思う事ばかりでしたので、そんな経験から映画館では観なくていいかなぁと思ってしまい、そのまま観ずじまいでした。

 

余談ですが、僕の読書好きは実の兄からの影響が大きいのですが、やはり太宰治の『人間失格』が映画化してさらに小栗旬主演ということで、テンションの上がったLINEをもらったのですが、『監督が蜷川実花だから個人的には残念なんだよね』と返したところ、『あの監督なのか、じゃあ観ないわ』と返信がありました。

誤解のないように言っておきますがあくまで好みの問題です。評価もされている監督だと思います。しかし兄弟で好みは似るのだなぁとしみじみ思ってしまう出来事でした。

 

ちなみに生田斗真さん主演で映画化された『人間失格』は好きです。森田剛さんも出演されていますし。

そしてなんだか太宰治の『人間失格』熱が自分の中でかなり上がってしまい、久しぶりに読みたいなという気持ちになったのです。

そして久しぶりに、20歳前半に読んだのが最後だと思うのですが、それ以来の『人間失格』を味わってみたのでした。

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若い時とは感じ方が全然違った太宰治の『人間失格』

僕は基本的に絶望とかいわゆる暗い作品が映画でも本でも好きなのですが、昔からそんな趣味でしたので太宰治の『人間失格』を初めて読んだ時もかなり感銘を受けましたし、最後に読んだ時も久しぶりに読んだからと言って幻滅することもまったくなかったように思います。

 

そして今回かなり久しぶりに『人間失格』を読み返したのですが、これまで幾度か読んだ中で間違いなく一番の衝撃を受けたのです。

 

映画でも本でもよくあることなのですが、年齢を経てから過去に観たり読んでいた作品に触れると昔に触れた時よりも面白く感じたりより感動できたりすることが多々あります。

しかしこれとは逆に時が経ってから触れると『あれこんなもんだったけ?』と思ってしまう事も多々あります。そういう時は思い出を美しいままにしておけばよかったと思うすらあります。

幼い頃に観てゲラゲラ笑っていた映画『ポリスアカデミー』などはまさにそんな感じで、大人になってかた観たら全然笑えなくてショックを受けた記憶があります。

 

もしかしたら太宰治の『人間失格』もそんなことにならないだろうか。あれ?もっとお面白かった記憶なんだけどなぁなんてことにならないだろうかという心配もあったのですが、読みたくなった気持ちは抑えられないのでブックオフへと自転車を走らせました(僕は本は読んだら基本的にすべて売ってしまうタイプなので)。

 

無事にブックオフに到着し太宰治のコーナーで『人間失格』を見つけた僕は迷わずに購入し帰宅し早速読み始めました。

結果的に一気に読んでしまいました。

めちゃくちゃ面白かったです。面白いは面白いのですが面白いと言うとなんだか語弊があるようにも感じられる内容なわけですが、面白いにもいろんな種類がありますから、夢中になったという意味でもやはり面白かったのです。

 

そして昔と明らかに違う感じ方ができた大きな要因の一つは『共感する部分が多かった』ことでした。世間というものに対する考え方や自分が道化を演じる事でその場をやり過ごすことなど、自分でもびっくりするぐらい共感し納得をしてしまいました。

そして大きな喜びや希望を求めないことがもたらす結果に関してもなんだか今の自分はものすごく納得し共感し、そしてそんな状態に魅力を感じました。

 

年齢を経ただけではなく、現在の精神状態によるものも大きいと思うのですが怖くなるぐらい心に響きました。そして完全に影響されています。ただ行き過ぎた行為を行うほど影響は受けていないのでご安心を(笑)

 

あくまでそういった精神状態の時にということになるのですが、『人間失格』を読んでいて「安心感」を覚えることも正直ありました。

僕は文学について研究もしていなければ特に勉強をしてきたわけではないので完全な受け売りですが、解説を読むと太宰治自身も読者が安心してくれることを頭に入れていたということが書いてあって、『人間失格』を読んで安心感を覚えていた僕は妙に納得してしまいました。

僕はカッコ付けるわけではなく、斜に構えたいわけでもなく、どの場所に行っても自分が浮いてしまっている感覚を覚えるのですが、そんな自分の性格を『人間失格』を読んでいると肯定できるような気がしてくるのです。

そして僕は『人間失格』の中のこの一文がとても好きです。究極のように感じています。

『いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます』

『いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます』という文章は過去に読んだ時にも非常に印象に残っていたのですが、今回読み直してみて居現在の感じ方としては座右の銘にしたいと思うぐらいの衝撃を受けています。

 

幸福を求めなければ不幸も存在しない、笑う事を放棄することは泣くことも回避できる、そんな状態はなにも悪ではないし罪でもないと思います。

僕は四六時中この状態になっているわけではないですが、こういう思いを心に持っておくことは悪いことではないというか、むしろいいことなのではないかと感じています。これは若い時には考えられなかったことです。

 

何もこうやって生きようと決めつけているわけではありません。楽しむ時は楽しみますし、文章を書いている時は楽しいです。でもふとこういった『ただ、一さいは過ぎて行きます』というモードになった時は、無理に幸福を求める行動を起こす必要もないと思えています。

久しぶりに読んだ太宰治『人間失格』は、僕に勇気を与えてくれました。久しぶりに読み直して本当に良かったです。

                             M&O

斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇 (文春文庫)

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  • 作者:太宰 治
  • 発売日: 2000/10/06
  • メディア: 文庫