THE ENTERTAINMENT DIARIES

はじめましてM&Oです。フリーランス。元俳優が俳優の目線で綴るエンターテインメントの表と裏

エキストラと役者(俳優)の違いって?? 役者・俳優になりたい人に僕がエキストラを勧めない理由

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エキストラと役者の違いって?

こんばんは、M&Oです。

今回はドラマや映画で活躍されている『エキストラ』というものについて書いていきたいと思います。

エキストラという言葉はほとんどの人が聞いた事があるかと思います。結構世間に浸透している言葉になってるんですよね。ロケ地の現地の人に協力をお願いしたり、ドラマや映画のホームページでエキストラ募集なども行われています。

 

エキストラは主に通行人であったり、お店のお客や店員、大勢いる記者、警察官、生徒など挙げたらキリがありませんが、イメージとしては背景の一部になる役割です。画面をより自然な画にするために、リアリティを増すために存在してもらうといった感じです。セリフなどはもちろんないのですが、ガヤガヤしたり、現場で一言ぐらいいきなりセリフをつけられることはあります。店員のエキストラでしたら「いらっしゃいませ」とかですね。

そしてエキストラと出演者はもちろん全然違います。まったくもって違います。撮影では香盤表と言われる「誰がどこで何時入り」などが書かれたものが存在するのですが、ここに名前が書かれるのは出演者のみで、エキストラの人達は何人いようとEXと書かれているだけなのです。これはドラマの終わりに流れるエンドロールでも同じで、出演者のみ名前が表記されます。エキストラの人達はエキストラ会社の名前だったり「~~の皆さん」といった感じで表記されます。

撮影現場でも境遇が全然違いまして、エキストラの人達はメイクさんもつきませんし衣装も皆さん自前で持ってきています。これがすごく大変そうで、エキストラの人達は別日に衣装合わせなどはないので、撮影当日に大量の自前の洋服を持ってきているのです。旅行用のトランクに入れて持ってきているエキストラの方々もたくさんいます。そしてそこから助監督やADの人に持ってきた洋服を見せて選んでもらい、大量に持ってきた洋服から使うのは一着のみです。

撮影中の待機場所も出演者とエキストラでは違いまして、出演者はロケの場合は基本ロケバスで待機となりますが、エキストラの方々は外で待機という事も珍しくありません。寒かろうと暑かろうと気温に関係なくです。食事も出演者が食べるものとは違いまして、エキストラの方々が食べるお弁当は「トラ飯」と呼ばれています。ただドラマとかだとエキストラの人はワンシーン撮ったら終了の人が多いので、あんまりご飯食べる機会は多くないイメージです。映画の撮影だと長丁場の時が比較的多いイメージです。

こういったお世辞にもいいとは言えない条件の中で、エキストラの方々は作品のために参加しシーンの中に存在してくれているわけです。本当に頭が下がる思いです。僕が役者を現役でやっていた時も、エキストラの人達を見ていて正直「大変そうだなぁ」と思っていました。しかも僕らは撮影現場までロケバスで移動となるわけですが、エキストラの方々は現地集合なのです。ほとんどの場合出演者よりはやく現場に来ていることが多く、ロケバスからトランクを持ったエキストラの人達がたくさん見えるわけで、早朝からの撮影の時とか「何時に家出たんだろうか・・・」と思っていました。

エキストラの人達がいないと当たり前ですが作品は成り立たないわけです。そんな悪条件の中でも参加してくれるエキストラの人達には、感謝の気持ちを忘れてはいけないと思います。

しかしこのエキストラ、結構仕事のない役者志望の人達が参加していることが多く、それに関しては僕は個人的に思う事がありまして・・・。

 

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俳優(役者)になりたいならエキストラはやらないほうがいい

個人的な考えなのですが、僕は役者になりたい若い子がエキストラをやることには反対でして。撮影現場に行くと待ち時間とかにエキストラの方々と話すこともありまして、その時に意外と俳優志望の人がいることを知って驚きました。僕は基本的にエキストラをやる人ってドラマとか映画がすごく好きな人か、有名人を生で観ることが目的の人がほとんどだと思っていたので。

役者志望の子が現場で勉強するためにエキストラに参加する。一見すごく真面目で野心的で素晴らしいことじゃないかと思われるかもしれませんが、僕の考えとしては、エキストラなんてやらなくていいです。「なんて」と言ってしまいましたが、役者になりたいならそれぐらいの気持ちでいた方がいいと思うからです。昭和の時代ならエキストラからチャンスをつかむなんてこともあったらしいですが、今となってはそんなことはないです。絶対ないとは言えませんが、ほぼないです。

僕が役者になりたい人がエキストラをやらない方がいいと思う第一の理由が、「エキストラには責任がない」ということです。ドラマや映画の作り手側の人達は当たり前ですがエキストラの方達に多くを求めないですし期待もしていません。素人の人が来ているというイメージなので当たり前な事だと思います。しかし出演者、役をもらっている俳優にはもちろん責任がつきまといます。簡単には掴めないチャンスをもらって現場に行き、監督やプロデューサーの期待を上回る結果を出すことを目指し、NG連発で迷惑をかけるなんてこともできる限り避けたいわけです。「こんなもんか」と思われてしまえば次はもう声をかけてもらえない、そういう状態になるわけです。エキストラはこういう状況にはならないのです。そして人間とは不思議なもので、エキストラばかりやっている人は見事に「エキストラの雰囲気」を出すようになります。撮影現場でエキストラの人ってすぐにわかっていましたから。役者ではないなってすぐにわかるのです。

そして一番タチが悪いのは、ある程度の年齢になっている仕事のない役者が、エキストラを役者の仕事と捉えて、妙に誇りをもっていることです。こういう人に限ってちょっとした待ち時間に話しかけてきて「実は僕も役者なんですよ」と言ってきて、「○○とか○○とかにも出演しているんですよ~」とか言ってくるのです。ちなみにエキストラで参加しているものは出演とは言えません。このタイプ僕本当に嫌いで、こういう人に限って有名人と写真を撮りたがったり、エキストラで参加しすぎてスタッフと顔見知りになっていて助監督とかADに偉そうな態度を取ったりするんです。僕は役者になりたいって思っている若い子たちにそんな風になってほしくないのです!

 

もちろん趣味とか、やってみたかったとか、撮影現場に行ってみたかった、誰々を生で観たいと思っているなど、特に役者を志していない人はぜひエキストラに参加してほしいと思います。いてくれないと困るわけですから、作る側の人間もエキストラの方々に対してもちろん感謝の気持ちを持っています。

ただ僕は個人的には俳優になりたいという人はエキストラはやらない方がいいんじゃないかと思います。

                            M&O