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俳優が舞台の際に課せられるチケットノルマの過酷さ

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俳優が舞台の際に課せられるチケットノルマの過酷さ

こんにちは、M&Oです。

今回は役者が舞台に出演する際に課せられるチケットノルマというものについて書いていきたいと思います。

 【僕(M&O)のプロフィール】
芸能界で15年以上仕事をし、現在はブログで俳優・女優・声優になりたい人に有益な情報をお届けしてサポートを行っています。
芸能界に関する質問・お悩みコーナーもおかげさまで好評です。
他にも経験を活かした情報をブログで発信中。

役者の下積み時代によくある話です。賭け出しの役者は特にこういった形で舞台に出演することが多い印象です。

僕自身は役者時代に恵まれていたせいか結構な数の舞台に出演していましたが、チケットノルマという形で出演した経験はありません。

かなり恵まれた環境だったのだと思います。なので今回は自分の身の回りに数多くいたチケットノルマで舞台に出ていた役者のお話を元に書いていきたいと思います。

役者の舞台におけるチケットノルマとはどういった形なのか

一般社会で生きている人は『舞台のチケットノルマ』というものがどんなものかまったくわからない可能性もあるので、まずはチケットノルマというものがどんな内容なのかを書いていきたいと思います。

 

チケットノルマの形にもいくつか種類があるのですが、簡単に言うと30枚のノルマを課せられた場合は『お前30枚売れなかったら売れなかった分は自腹で補填しろよ』ということになります。

 

つまり25枚しかチケットを売ることができなかったら、残りの5枚分は自分で買い取ってねという事です。3500円のチケットだとすると単純に3500×5で、あれ?ちょっと待ってください電卓を使います。1万7500円ですね。この金額を自腹で支払う事になります。

 

このチケットノルマの枚数は舞台によって全然違います。

聞いた話では100枚とかチケットノルマを課せられるケースもあるようです。

すでにファンの人が付いている俳優には厳しい枚数ではないですが、そういった人がいない身内にチケットを売るしかない役者にとってはあまりに過酷な数字だと思います。

 

そしてこのチケットノルマの枚数を売り切って、それ以上のチケットを売った場合はその分はもらえるということが多いです。

キックバックと呼ばれるのですが、これは30枚のノルマで3500円のチケットだったとして、500円は自分の懐に入れていいよという場合もあります。

しかしノルマを課せられている役者はなるべく多く枚数を捌くことが第一なので元々3000円に割引して売ることも多いようです。

もしくは31枚目から500円がもらえるという形があったり、それは舞台によって様々です。

アルバイト先などで役者の卵が「チケット買ってください」と言っている場面に遭遇したことがある人も多いかと思うのですが、そういう人たちにはこういった事情があるのです。貯金なんてないのが当たり前なのでかなり死活問題なのです。

 

僕はチケットノルマを達成するために必死になる役者を見てきましたが、それはもうかなりすさまじかったのです。

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チケットノルマを達成するためにあの手この手を尽くす俳優

数回しかなかったですが、チケットノルマのある役者も出ている舞台に出演したこともあるのですが、そういった時は自分はノルマもなくギャラをもらうのに番手の下の役者はチケットノルマがあるので結構気まずいというか申し訳ない気になります。

お客を呼んでいたり、ポジション的な要素でギャラをもらえているわけですが、必死に売っているのを見るとさすがに申し訳なく思っていました。

 

そして同時に「すごいな」とも思ったのが、舞台の初日を迎えてもチケットを売ろうとしているんです。

楽屋などで電話している場面に遭遇するのですが、結構衝撃だったのが「もしもし!すみません!8年前にお世話になった~~ですけど、実は舞台をいまやってまして~」みたいな会話をしていて、「8年前!?」と驚愕したのを鮮明に覚えています。

8年間連絡を取っていなかった人に電話するのも勇気いるのに、8年ぶりに話す内容が「舞台のチケット買ってくれ」ですからね。すごいです。招待ならまだわかりますが。

招待なら8年ぶりの人にはまず連絡することはないですが。あまりに衝撃だったのでさすがにその役者に「8年ぶりの人に電話したの?」と聞いたら「はい、明日来てくれるみたいです!」と答えていて「来るんかい!」とさらに驚いたのを覚えています。

その役者の人柄もあると思いますが、世の中にいい人っているんだなぁと思いました。

 

さらに覚えている出来事が、同じ舞台の時だったと思いますが、その役者はたぶんチケットノルマに届かなったのではないかと思うのですが、携帯電話(当時ガラケー)を見ながら山下達郎さんのクリスマス・イブを寂しそうに替え歌して口ずさんでいる役者がいまして、その内容が「たぶん行くは来~ない~行けたら行くも来な~い~」という内容で思わず吹き出してしまったと同時に「こいつめちゃくちゃ面白いな」と思ったのも覚えています。

 

こういった役者たちを見てきて、チケットノルマを経験していない自分がいかに恵まれていたかを今でも痛感しますし、同時に当時最初にその現状を知った時は「俺やっていけるかな」とも思ったのでした。

チケットノルマを課せられても舞台に出たいという情熱はすごいと思う

劇団をやられている人などはこのチケットノルマというのがかなりの確率で存在する印象です。

もちろん人気のある劇団はそんなことはないのですが、人気のない知名度もない劇団の方々は基本的にこのチケットノルマがあるのではないかと思います。

 

そして劇団をやっていなくても舞台によってはこのチケットノルマという形で出演する役者がたくさんいるわけですが、そういった人たちを目の当たりにした役者を始めたばかりの自分は「俺やっていけるだろうか」と不安を感じたのでした。

 

なぜかと言えば、僕が映画が好きで役者を志したという事もありますが、舞台に対してそこまでする情熱を持っていなかったからです。

役者というのは演じることでお金(ギャラ)を頂くものと思っていたので(ずっと思っていましたが)、自腹を切って舞台に出演する人たちの情熱を単純にすごいと思ったからです。

僕なら断ってしまうだろうなと思うからです。それでも舞台に出たいという思いがあるというのはすごいことだと思います。

 

ただちょっとだけ気になるのは、みんながチケットノルマがある舞台、手売りで知り合いにチケットを売る舞台だと、客席にいるお客さんは出演者の誰かの身内ということになります。

そんな中で公演してもあんまり次に繋がらないんじゃないかなぁという思いもあります。来てくれた誰かの身内が大いに感動して次回作には友達も誘うということになるような圧倒的なものを見せられれば違うかもしれませんが。

でもチケットを売らないと制作側は大赤字になってしまいますし、舞台って難しいんだろうなぁしみじみ思います。

面白い舞台ならば口コミで広がって人気も出てってなると思うので、結局そこが重要なのだと思います。ずっと身内しかお客さんがいない劇団とかはいろいろと変えて行かなくては本当はいけないんだろうなと感じます。

 

あくまで僕の経験上ですが、やぱり手売りでチケットを売らなければいけない舞台って、面白くない舞台が多いんです。昔は付き合いで行っていたこともありますが、今では招待でも行かなくなってしまいました。

チケットノルマとかがあっても出演したいという情熱はすごいと思いますが、なんでもかんでも出ればいいというものでもないのではないかと思います。

趣味でやるなら全然いいと思いますが、上を目指しているならその舞台で何を得たいのかとか何を得られるのかを考えることも必要なのではないでしょうか。せっかく素晴らしい情熱をもっているのにもったいない気がします。

 

しかし、クリスマス・イブの替え歌「たぶん行くは来~ない~行けたら行くも来な~い~」は本当に秀逸だと今でも思います。これも一度見に来てくれてたとしたら、その時に面白いと感じていれば、きっと来ていたんだと思うのです。

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