THE ENTERTAINMENT DIARIES

はじめましてM&Oです。フリーランス。元俳優が俳優の目線で綴るエンターテインメントの表と裏

パワハラが世間を賑わせているけど、俳優の世界にもパワハラはもちろん存在する

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俳優の世界はパワハラだらけ??

こんばんは!M&Oです。

最近ニュースでパワハラがとっても取り上げられていますが、実はと言いますか皆さん想像がつくのかもしれませんが、俳優の世界にもパワハラってめちゃめちゃ存在しているのです。

テレビやネットでパワハラのニュースを見るたびに、『こんな感じのことは俳優の世界にも多々あるなぁ』って常々思っていまして。もちろん本来あってはならないことだし、苦しむ人がいなくなる方がいいわけですが。ただやはりそう簡単にはなくならないものなわけで。芸能の世界にも脈々と生き続けているわけで。。。

しかも正直に申しまして俳優の世界はかなり強力なパワハラが存在しています。

俳優が受けるパワハラは形も様々なわけですが、想像するに容易いことだと思いますが特に売れていない俳優がその被害にあいます。

売れていない俳優は何が何でも仕事がほしいわけで、何をされても何を言われても『はい』と答えてしまうイエスマンが非常に多いのです。そしてそういうイエスマンの俳優に限って我慢して我慢して結局はいいように使われてしまうのです。悲しい現実です。

 

いいように使われ続けて仕事の質が上がらない俳優をたくさんたくさん見てきました。ドラマや映画ではエキストラと言われる立場の人、舞台やミュージカルではアンサンブルと言われる立場の人、エキストラは意識低い人が多いからちょっと違うかな。ただアンサンブルに関しては意識も高くてスキルも高い俳優がたくさんいます。歌えて踊れて芝居もできるのに役をもらえずにアンサンブルしかできてない人ってたくさんいるんです。M&Oなんて歌えないし踊れないし・・・芝居はしっかりできていたとは思っていますが、僕なんかより役者としてのスキルが高いアンサンブルの人達もたくさんいて。そういった方々は、次回は役のある役でとか言われることも多々あるのですが、結局またアンサンブルでオファーされたりということもとっても多くて。もちろん自分自身にも責任はあると思いますし、仕事が途絶えたとしても断る勇気も必要だと思います。運の要素が足りていないということもあると思います。M&Oは自分でも運が良かったと思っていますし。ここで言いたいのは、アンサンブルの人達は断ると二度と使ってもらえないんじゃないかという無言のプレッシャーを受けているという事です。結果的に安いギャラで使われ、役のある人たちは稽古を休んだりも多い中、休みなく稽古にも出続けます。下積みと言えば下積みかもしれませんが。

ちょっと伝わりづらい例だったかもしれません。ではわかりやすくというか、精神的に追い詰められたり実際に暴力を振るわれたりということも挙げていきたいと思います。

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熱血指導という名の暴力

スポーツの世界と非常に似ていると思います。愛があるかどうかが問題になってくると思いますが、この問題って外野がどうこうじゃなくてパワハラされている本人がどう思うかが全てなんですよね。

例えば世界でも有名な演出家・蜷川幸雄さんは激しい稽古で有名でした。藤原竜也さんなんてしごかれまくったことで有名です。僕の俳優友達も蜷川さんの舞台に出演した際にここでは書けないような罵詈雑言を毎日浴びたそうです。でも藤原竜也さんは蜷川幸雄さんのこと大好きだったわけですし、その僕の友人も蜷川さんの事を悪く言う事はありませんでした。その時はそうとう病んだそうですが。これはパワハラにはならないのではないかと僕は思います。本人がそう感じていないという事は蜷川さんの愛を感じていたからだと思いますし。

ただ実際にM&Oが見てきたパワハラのような光景に関しては、僕は『そんな風に追い込まない方がいい芝居ができるんじゃないか』と常々思ってきました。

M&Oも若い時からいわゆる厳しい現場はたくさんありました。僕自身も嫌になるほど怒られまくっていた作品もありますし、『こいつ大丈夫かな』と思ってしまうほど打ちのめされる役者もたくさん見てきました。手を出されるなんてことも正直全然ありましたし、ずっと怒鳴られ続ける稽古もありました。髪の毛掴まれて引きずりまわされている役者も見たことあります。自尊心はボロボロになります。大きい作品になればなるほど、スタッフさんの人数も多ければキャストの人数も多くなります。その中で人格否定されるようなことも多々あるわけで。

良いのか悪いのかわかりませんが、そこから這い上がっていかなければいけない、という空気で満ちているのが芸能界です。映画でもずっとOKが出なくて何テイクも何テイクもやることもあるわけです。『ちげーよ!下手くそが!!』なんて怒鳴られながら。。。大勢のスタッフさんも相手の役者も何回も付き合うことになり、また出番を待っている役者もずっと待たせることになります。当たり前ですが誰も助けてくれません。自分でなんとかするしかないのです。精神的にどんどん追い込まれます。テレビドラマではなかなかない光景ですが、監督によっては映画では全然ある話です。

 

俳優の世界ではパワハラは存在しない?

たくさんある中の少しの例を出しましたが、俳優という職業はこういったことをパワハラとは言いません。言っているのを少なくとも僕は聞いたことがありません。

本人たちが思っていないからです。ただもちろん精神的には追い詰められます。撮影現場に行く時に、稽古に行く時に電車に飛び込みそうになったと真顔で言われたことがM&Oは一度でなく何度もあります。いろんな役者から。当然そういう事を言ってくる役者の顔はもうやばい状態になっています。

しかし、終わってみると『おかげで成長できた』という思考になってしまうのが役者です。充実感と達成感を感じ、すがすがしい顔になることもしばしば。本人が良いのであれば良いのでしょう。ただこれは間違いない監督や演出家の場合です。中には理不尽に巨匠のポーズだけ真似て罵声を浴びせ手を出すような人もいるわけです。それはもう最悪です。成長もしないしただひたすらに追い込まれるだけになります。運が悪かったとしか言いようがありません。

すこしづつ変わってきているのは間違いないです。上に書いたようなことが絶対に必要なことなのかと問われれば、M&Oは絶対に必要だと全く思わないです。何事も楽しくやった方が本人のいい部分を出すことができるという考えなので。委縮させることはアイディアも必要とする俳優という職業でいいことがあるとは思えません。『サボるやつには厳しくしないと』なんて意見があるかもしれませんが、サボるやつは外せばいいだけの話です。

厳しさがあったから成長できたのかもしれない、でも楽しくやっても成長できたかもしれない。歯を食いしばって頑張ったからいい作品ができたかもしれない、でもいっぱい笑っててもいい作品ができたかもしれない。そんな風に思います。

時代は変わりつつあると思いますし、何よりせっかくなら伸び伸び楽しくやってほしいなと、M&Oは俳優業を離れた今心から思うのです。各々の意識が高ければそれでなんの問題もないと思います。厳しくすることよりも意識を高く持たせる工夫をするべきだと思います。

                                M&O