THE ENTERTAINMENT DIARIES

はじめましてM&Oです。元俳優が俳優の目線で綴るエンターテインメントの表と裏

ドラマ『闇金ウシジマくん』が人気を獲得した理由を考えてみた 人間は自分より下を見ることで安心する傾向がある

テレビドラマのセオリーを無視した稀有な作品であることは間違いない

一世を風靡したと言っても過言ではないドラマ『闇金ウシジマくん

もちろん映画の方もかなりヒットして話題になりましたね。

元々プロデューサーとしてかなりのヒットメーカーである山口雅俊さんがプロデュース・監督をしていることから、ツボの抑えどころはさすがとしか言いようがありません。ただこれまで山口雅俊さんがやってきたことドラマと毛色の違う作品や演出なので、自由にできる状態でこの形になったことを考えると、こういったテイストを元々やりたかったのかなと思う部分と、ただ単に飽きたから新しいジャンルをやってみようと思ったのかなと思う部分と両方あります。両方かもしれないし、全然違う理由かもしれませんが。

観た事ある人も多い作品だと思うので、お分かりの方も多いと思いますが、確実に大ヒットを狙える作品では本来であればないと思います。コアなファンが楽しむレベルになっててもおかしくないのに、テーマとは裏腹になぜここまでヒットしたのか。

これは演出の力によるところが大きいと思います。この作品をドラマ化する時にシリアス一辺倒で作ってしまっていたら、ここまでヒットすることはなかったのではないかと思います。シリアスに作ってしまってもおかしくない闇金ウシジマくんを、しっかりコメディ要素もある楽しめる作品にした手腕は評価されるべきだと思います。それでも観てて気分的に落ちる時は落ちる作品なので、これシリアスだけで作ったらそうとうやばいと思います(笑)心にズシンと来る部分はしっかり残しててバランスが絶妙だと思うので、さすがだなぁと思わされます。

「犯罪です。」といったテロップがエンディングだけでなくドラマ内でも多用されていて、また内容と絡めていちいち笑える感じで入れていて、新しい形を提示したんじゃないかなと思います。キャストが「こんなのやりすぎだ!犯罪だ!」というセリフの後に「そもそも~が犯罪です。」とか入ってきて普通に笑っちゃいます(笑)コンプライアンスの上手い使い方だと思います。

 

そして出演者ですが、これもまたドラマのセオリーをある程度壊してくれています。芸能事務所のしがらみ、政治的なものをすべてとはいかないまでも出来る限り排除しているところが心から素晴らしいと思います。それこそが日本の芸術レベルを下げている非常に腐った部分なので。

それでは出演者にスポットを当ててみましょう。

f:id:myprivatecomedy:20180524185046j:plain

普通のドラマと違い、出来る限り使いたい役者を使ったであろう無名役者にもチャンスがあった作品

出演者はゲスト出演も含めるとかなりの数になりますが、

山田孝之・やべきょうすけ・崎本大海・綾野剛片瀬那奈杉山彦々かすみりさ希崎ジェシカ山本浩司・平田実・尾上寛之・青柳塁斗加藤和樹武田航平・橋本淳・杉原勇武・中村靖日山中崇酒井敏也徳井優荒木宏文・島津健太郎・加賀谷圭・久保寺瑞樹などなど

ほかにもたくさんいますがこれぐらいで・・・。

どうです?初めて名前を見る役者も多いのではないでしょうか?

上に書いた俳優たちってもちろん知名度ある俳優も多いるけど、一般的には有名じゃない俳優も多いと思います。しかもまだまだいるし、ドラマ内では決してチョイ役じゃないんです。製作費のギャラの関係もあるとは思いますが、監督のこだわりも強く感じます。

実は闇金ウシジマくんのキャスティングをしている人が、僕がお世話になっている人なんです。なのであいりがたいことにウシジマくんの出演の話も頂いたのですが、すでに決まってる舞台とのスケジュールの兼ね合いで出演は叶いませんでした。ペーペーの僕にスケジュールはさすがに合わせてもらえませんから。そういったことからも芝居が認められていればチャンスのあったドラマなんです。素晴らしいことですよね。そうあるべきだと思うし、徐々にだけど既存のいらないしきたりは崩れてはきてると思うので、これからどんどん形は変わっていくと思います。

 

メインキャストのキャスト別感想

山田孝之さんはもうあまり言う必要もないかと思います。誰がどうみてもお芝居上手いし自分自身のブランディングもしっかりされてる人だし。表現者としてもう地位を築きすぎているというか。カメレオン俳優って最近すごい軽く使われてますけど、山田孝之さんこそカメレオン俳優だと思います。よく言われてますけど鈴木亮平がカメレオン俳優って正直怒り通り越して笑っちゃいますもん。ホント日本のそういう浅いイメージ付け大嫌いです。

山田孝之さんのGEORGIAのCMとか上手すぎて笑えないレベルですからね。感心しちゃうし素直に尊敬しちゃいます。この人は若くしていろんな作品出てるけど、昔から上手いしすごいセンスがある人なんだと思います。自分のこだわりも大切にしていると思うし、これからもすごい役者になっていく気しかしないです。上の世代も含めても演技力はずば抜けていると思います。

ちょっと話変わりますが、『50回目のファーストキス』ですが、僕はドリューバリモアのも好きだし山田孝之さんと長澤まさみさんっていう好きな俳優が主演だからすごい楽しみだったんですが、佐藤二郎さんとムロツヨシさん出るの知ってすごいがっかりしてしまいました。もういいですよ、福田監督にあの2人っていう組み合わせ。演技も上手いと思わないし、ああいう小手先だけで笑わせるの好きじゃないです。僕は面白いとまったく思わないし。役者としての面白さで言えば中井貴一さんとか西村雅彦さんとかが面白い役者なんですよね。いるよねこういう人っていう絶妙のポイントを突くやりすぎない面白さがレベル高くて好きです。山田孝之さんもそうだと思うし。同じセリフ二回繰り返したり瞬きたくさんするキャラ作ったり何が面白いか全然わからないです。ごめんなさい話がそれました。

 

やべきょうすけさんは決して上手くなくて器用じゃないところが好きです。そこがすごい魅力的なんですよね。多分幅広い役柄を演じられる役者じゃないんですが、やべきょうすけさんっぽさがあればもうオッケーな感じになってそれが許される人だと思います。とは言ってもウシジマくん観てると上手いは上手いですけどね。間とかでしっかり笑わせてるし。セリフ回しが上手くないんだと思います。というか気にしてないんじゃないかなご本人が。それでいいというか本来そうあるべきなんですよね。普段人間って上手く喋ろうなんて意識しないわけですから。上手く見せようってしないところがすごくいいし好きです。

 

崎本大海さんは僕共演させて頂いたことあるんですが、まずめっちゃいい人でした。スタッフさんに対しても共演者に対してもいい人ですし、しっかりしてる人です。お芝居もこの人も上手いっていう印象です。ご一緒した時はやっぱセンスいいし上手いなぁ~って尊敬の目で見てました。ウシジマくんに関しては実は最初「あれ?もっとうまくなかったっけ?」っていう印象を持ったのですが、たぶん原作のキャラクターのイメージに引っ張られていたのかなと思います。山田孝之さんは最初からウシジマくんの原作イメージを消化している感じでしたが、崎本大海さんは消化するまで少し時間がかかったのかなと思います。途中から自然になった感がすごいあるので。でもあのキャラってCOWCOWファイナンスの中で一番難しいと思います。クールなキャラに人間味を持たせなくてはならないわけで。崎本大海さんは結果的にしっかり人間味を持たせていたと思います。

 

片瀬那奈さんはこの作品で明らかに一皮むけたのではないでしょうか。ポテンシャルは元々あったのかもしれませんが、なかなか披露する場もなかったですよね。こんなに面白い芝居できるとは思いませんでした。片瀬那奈さんもっと女優業で面白い役やるべきだと思うしやってほしいです。

 

ドラマの闇金ウシジマくん観て、一番驚いたと言ってもいいかもしれないのが希崎ジェシカさんです。普通に芝居上手くてびっくりしたんですけど。他のその世界の方々はあ~やっぱお芝居できないよねって感じだったのですが、ちょっと別格に上手かったです。会話のシーンとか普通に自然で演技上手かったです。

 

綾野剛さんはいい味出してるって感じです。丸暗記したセリフをしゃべってるのかなってシーンも少しあった気もしますが、多忙な中出演したのかなって思うぐらいでした。

 

Netflixのトライアル期間のおかげで一気に観させて頂いたドラマ『闇金ウシジマくん

社会勉強にもなるしいい作品です。

日テレドラマ