THE ENTERTAINMENT DIARIES

はじめましてM&Oです。元俳優が俳優の目線で綴るエンターテインメントの表と裏

尾崎豊が世代を超えて愛されるのはなぜか

今もなお世代を超えて愛される尾崎豊

80年代を生きた人は確実に尾崎豊を知っていることと思います。

では90年代に生まれた人たち、2000年以降に生まれた人たちは尾崎豊と聞いて知らないと答えるでしょうか。

僕の周りの若い世代の子たちに聞いても尾崎豊を知らない人はいません。万が一尾崎豊の名前を知らない子がいても『I LOVE YOU』『OH MY LITTLE GIRL』『僕が僕であるために』『シェリー』『卒業』『15の夜』のどれかを全く知らない人には多分僕は出会ったことがありません。

彼の楽曲は現代のプロのミュージシャンにも愛され続けたくさんの方々にカヴァーされているので、その影響も大きいでしょう。

今でも尾崎豊のメモリアル本などが新たに発売されています。

ここまで伝説となっているミュージシャンが他にいるでしょうか。

僕は思春期に尾崎豊と出会い、影響されやすい性格も手伝ってそれから15年に渡り今でも影響され続けています。

尾崎豊を初めて聴いて打ちのめされたのは中学生の時

僕が尾崎豊を初めて聴いたのは中学校2年生の時でした。兄が持っていたCDをなんとなく聞いたのがきっかけだったと思います。この時尾崎豊はすでに他界された後でした。

衝撃でした。

澄んだ声とやり場所のない怒りの叫び、人間の性を知りながらもそれでも何かを追い求め、強さと弱さが共存していて。心が打たれるとはまさにこのことだと思うほどに打ちのめされました。最初に聴いたのはファーストアルバムの『十七歳の地図』でした。続けてセカンドアルバム『回帰線』を聴いて、もう本当に尾崎豊にハマってしまいました。テレビで放送される尾崎豊の特番も夢中になって観ていました。

テレビで観たライブパフォーマンスは想像を軽く超えるものでした。ステージに這いつくばり、声を枯らして汗だくで歌い上げる、優しい歌声で繊細に歌うその姿に、命を削って歌っている、本当に伝えたいものが尾崎豊にはある、そんな風に思されるライブパフォーマンスでした。

10代の教祖と言われた尾崎豊ですが、彼自身がそうなることを望んでいたとは思いません。しかし、些細なことで悩み、反抗期の中で何か刺激を欲しがる思春期に尾崎豊を聴いて、その存在がとても大きかったのは事実です。

リアルタイムで尾崎豊を聴いていた人たちは時代背景も手伝って僕なんかよりもさらに尾崎豊が大きい存在だったのではないかと思います。

冗談ではなく、尾崎豊を聴いてバイクに乗りたくなったしケンかにも憧れた。恋愛への憧れも強まったし、歌詞に影響されて好きな子の家の前を自転車で通りすがって、帰りに自動販売機で当時美味しいとも思っていない缶コーヒーを買ったり。

僕中学校の時にはすでに「自分は会社員にはならないんだろうな」と漠然と思っていて、そのまま俳優の道に進んだわけですが、確実に強く影響を受けていたんだと思います。

CD・ライブビデオ・本など集められるものを買いあさった

とにかく尾崎豊に関するものが欲しくて、中古屋もまわって買っていました。今みたいにDVDで再販されていなくてデビューライブのVHSのビデオを手に入れた時は本当に嬉しかった。

当たり前にCDもすべて揃えて、『太陽の破片』はシングルで探して買って。

舞台の本番前には楽屋で尾崎豊をイヤホンで聴くのが僕の習慣で。奮い立つんです。

カラオケでももちろん歌うわけですが、やはり尾崎豊の楽曲はどの世代でも知ってるんですよね。もちろんアルバムの曲は知らない子多いけど、メジャーどころはやっぱり知ってる。尾崎豊をちゃんと聴いたことない人は初期の頃の曲のが知ってるんですよね、『BIRTH』とか『放熱への証』の曲を歌っても知らない。世間では10代の教祖や10代のカリスマっていうイメージが脈々と生き続けているんだと思います。聴けば聴くほど後期の楽曲も良いんですけどね。

尾崎豊に哲学を感じずにいられない

いま世の中に知れ渡っている彼の楽曲は、ほとんどが彼が10代の時に彼自身が歌詞を書き作曲したものです。

15歳から18歳までの間に、どんな思考をしていればあんな歌詞が書けるのか。恋愛の中で行く末を考えたり、何ができるだろうと考えますか?卒業の意味を深く考えますか?大人の持つ漠然とした力を突き詰めて考えようとするでしょうか。

尾崎豊は常に矛盾と戦っていたのではないかと思います。自分を取り巻く物事に対する矛盾を彼は「そういうものだから仕方ない」と片付けることが出来なかったんだと思います。

ある種誰もが憧れる生き方を尾崎豊は実践していたのではないでしょうか。納得がいかなければNOと言う、世の中はこういうものという社会に対して、いやおかしいんだよ、もっとみんな幸せにならなきゃダメなんだ、自分の幸せを見つけなきゃだめなんだと彼は叫んでいた気が僕はします。

声もメロディーも類まれな天性のものを確実に持っている人だと思います。ただそれだけでここまで語り継がれるミュージシャンになったでしょうか。僕は彼の考えや生きざまがあってこそだと思います。だからこそ多くのミュージシャンからも今も尊敬されているのだと思います。

尾崎豊という人間はこれからも世代をこえて生き続け、影響を与え続けると僕は思っています。

これからもたくさんの人々の背中を優しく押し続けることと思います。

愛すべきものすべてに、彼は歌っていたんですから。

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