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映画『苦役列車』ネタバレあらすじ感想

映画苦役列車ネタバレあらすじキャスト評価

映画『苦役列車』作品情報

今回の絶対おすすめ映画シリーズは『苦役列車』です。

流行りの作風ではないしストーリーも万人受けする話でもない映画です。が、最高に面白い映画です。

森山未來さんが天才俳優と言われている通り素晴らしい演技を見せてくれています。

苦役列車は実話というわけではありませんが、作者の実体験を元に書かれている小説です。

それでは『苦役列車』の映画紹介です。

映画『苦役列車』は2012年に公開された日本映画です。

上映時間は114分。

原作は西村賢太の小説『苦役列車』です。

監督は山下敦弘監督。『リアリズムの宿』『リンダリンダリンダ』『マイバックページ』など。『山田孝之のカンヌ映画祭』で監督役で本人役で出ていたヒゲもじゃの人です。

キャストは

北町貫多…森山未來

日下部正二…高良健吾

桜井康子…前田敦子

高橋岩男…マキタスポーツ

志賀…田口トモロヲ

前野健二…高橋努

他。

映画『苦役列車』ネタバレ・あらすじ

北町貫多(森山未來)は父親が犯した性犯罪をきっかけに家族バラバラとなり、中学を出てから日雇い労働でその日暮らしを続ける19歳。

読書が唯一の楽しみで、友人などもおらず風俗でストレス発散をしている青年です。

貫多がいつものように日雇い労働に行くと、同年代の日下部正二(高良健吾)が初めて日雇い労働の現場に来ていました。

気さくに話しかけてくる正二と貫多は打ち解けます。貫多にとっては初めてともいえる友人でした。

貫多は常連の古本屋でアルバイトをしている桜井康子(前田敦子)に想いを寄せていました。しかしコンプレックスの塊の貫多は話しかけることが出来ず、お店の前から眺めるのが精一杯でした。

貫多と正二は日雇い労働での連続出勤が評価され、倉庫番という仕事に昇格します。倉庫番になると食事の待遇に大きな差があり、2人は豪華になった食事に無邪気に喜びます。

貫多と正二仲はかなり深まっていて、飲みに行っては笑い合い、貫多は正二を風俗に連れて行ったりする仲になっていました。貫多は康子という女性に一目ぼれしていることを正二に相談します。

正二に連れられ貫多は康子のいる古本屋に赴きます。正二は本を買うついでに康子に話しかけ、貫多と友達になってくれませんかと頼みます。

貫多は下ばかり見ていてまともに康子を見ることが出来ません。意外にも康子は笑顔でその頼みを快諾し、3人はそれぞれ自己紹介し、友達関係がスタートします。貫多は本屋の中で人目も気にせず喜びます。

貫多は正二に感謝し、居酒屋に行ってお酒を奢ります。テンションの高い貫多は康子と男女の関係になることばかり話し、正二は呆れます。

あくまで友達をオーケーしてくれただけなんだから、そんなこと言ったら嫌われるぞと貫多を窘めます。ちゃんと友達から始めるんだと言われ貫多は困惑します。

友達として何をしていいかが貫多には全く分からなかったのです。貫多は真面目に友達って何をすればいいかを正二に訊く始末でした。

貫多は古本屋に行き康子とたどたどしくも本についての会話をし、康子に本を貸して欲しと頼み康子の部屋に半ば強引に上がり込みます。

しかし貫多はなにもすることができず、帰りの道では康子から彼氏がいる事を聞かされます。

動揺した貫多は握手をしようと康子の手を握り、思わず康子の手を舐めてしまいます。驚いた康子は逃げ出します。

貫多は家賃滞納のせいで大家から強制退去を言い渡されます。お金もなく行き場もない貫多は正二の家に泊めてくれと頼みますが、正二は断ります。

だったら引っ越しの費用を貸してくれと貫多は5万円を貸してくれと頼みます。正二はお金を貸し、貫多は家賃1万円の三畳一間のアパートへと引っ越します。

引っ越し先の部屋で貫多は正二に自分の父親が犯罪者であることを話します。

正二はお前が悪いことをしたわけじゃない、お前はいい奴だよと貫多に言葉をかけます。

2人は古本屋に行き、正二は康子に貫多のしたことを許してやってほしいと頼みます。一見怒っているように見えた康子でしたが、パーっと遊びにいきましょうかと言って貫多を許します。

ある日、貫多と正二のすぐ後に倉庫番に昇格していた高橋(マキタスポーツ)が重機の下敷きになり足の指を二本切断するケガを負ってしまいます。

高橋は歌が上手く、昔は歌手を志していた男でした。日雇い労働者のため労災もおりず、正二も憤りを覚えます。

会社からの見舞金を届けに貫多が高橋の元を訪れます。

高橋は元々貫多と正二に夢を持って生きるんだぞと話していましたが、貫多に向かってこの先もうまくいくことなんて一つもないぞ、夢なんて持つだけ無駄だと悲観的な言葉を浴びせます。

貫多は自分は何かを書きたいと自分の思いを吐露しますが、中卒が何言ってるんだと高橋は貫多を罵倒します。

二人はカラオケスナックで話していましたが、高橋は突然歌っている他の客からマイクを奪い、歌い始めます。高橋の様々な感情がこもった歌声でした。

高橋の事故をきっかけに貫多は倉庫番の仕事から逃げ、元の持ち場へと戻りました。正二はそのまま倉庫番をやっていたことから二人の距離は徐々に離れ、貫多が誘っても正二は用事があると断るようになりました。

再び誘いを断った時に貫多が絡んできたので、正二は彼女ができたことを貫多に告げます。ある夜、正二と正二の彼女と貫多と3人で飲みに出かけます。

正二の彼女に女友達を紹介してもらうためでしたが、酔った貫多は正二の彼女に暴言を浴びせてしまいます。

貫多には自分は中卒で日雇い労働者であるということを言い訳にする癖があり、こうなったのは決して自分のせいではないという気持ちから他人に嫉妬しまう部分が強くありました。

後日、貫多は仕事場で正二を待ち伏せ、飲みに行こうと誘います。正二は、いつまでも甘えるな、もうお前とはつきあえないよと貫多に告げその場を去ります。

貫多は救いを求めるべく康子を訪ね、強引に男女の関係になろうとしますが、康子は友達じゃだめなのかと貫多に優しく訊きます。

貫多がダメだと答えると、康子はじゃあ終わりだねと貫多に頭突きを食らわせ土砂降りの中、貫多の前から去っていきます。

苛立ちが収まらない貫多は仕事場で上司である前野(高橋努)に暴力を振るい、その現場にもいられなくなってしまいました。

時は3年が経ち、貫多の髪は伸び、相変わらずの生活を送っていました。

居酒屋で一人テレビを観ていると、なんとテレビには大けがをした高橋が歌のオーディション番組に出演していました。

驚きながらもテレビで歌う高橋を見つめる貫多。

貫多の中で何かが動き始め…。

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映画『苦役列車』感想・評価

冒頭からラストシーンまで、飽きることなく食い入る感じで観てしまいました。そしてラストシーンがとっても好きです。

衝動って本当に大切だと思うし、きっかけっていつどこであるわからない、そして誰が与えてくれるかもわからないもの。すごい好きですラスト。というかこの映画自体とても好きです。

それにしても森山未來という俳優はなんなんでしょうか。上手すぎるという表現ではありきたりすぎるけど、『怒り』でもとんでもないなぁと思っていましたが、今作でも恐ろしいまでにリアルです。

読書が趣味の貫多だけあってセリフが文学調になっている時が多々あるのですが、それが面白くもあるのですが、何よりすごいのがそのセリフにまったく違和感を持たせていないことです。

ただ単に貫多という人間がそういう喋り方をする人というだけなんです。さらに屈折した人の怖さもリアルで、周りの人間が貫多という人間と距離を置きたくなるように演じていて、本当に上手いなぁと感嘆してしまいました。

度が過ぎた図々しさって恐怖を覚えますが、こういう人って稀にだけどいるよなぁと思ってしまいました。

マキタスポーツさん、とってもとっても良かったです。この人すごく魅力的な俳優だと思っているのですが、『苦役列車』でも最高です。

特に歌うシーンがカラオケのシーンもテレビのオーディション番組のシーンもかなり胸にくるものがありました。

普通のシーンも、他の作品でもだけど、淡々と飄々と演じるんだけどしっかり成立させる俳優で、個人的にかなり好きですし上手いなぁと思わされます。

高良健吾さんは、ナチュラル芝居でいい感じの出方というか、立ち位置的にも違和感なく存在していて、でも締めるところはしっかり締めているという印象でした。

原作を読んでいないのであくまで映画を観ての感想ですが、森山未來と高良健吾というのはとってもいいキャスティングだったのではないでしょうか。

前田敦子さんは、正直一番びっくりしました。いい意味です。えっ!前田敦子ってこんないい女優だったのかっていうびっくりです。

すごくナチュラルに演じていたし、土砂降りの森山未來とのシーンは、監督の演出か前田敦子さん自身のプランかはわかりませんが、演じ方に驚かされました。もちろんこれもいい意味で。

他の出演作品も観てみたくなりました。本屋でのアルバイトしている時の仕草とセリフのマッチ具合もかなり良くて印象に残っています。

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個人的に山下敦弘監督の作品が好きということもありますが、この監督の映画なのでさすが面白いなと思います。

いろんな映画があってもちろんいいと思うけど、ちょっと前で言ったら『パーフェクトワールド』とか、ああいう映画を普段観ている人がこの『苦役列車』を観たらどういう感想を持つのかなってなんとなく気になってしまいました。

観て損はないというか観る価値が充分にある映画です!

おすすめ映画です。ぜひ。

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