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映画『青い春』ネタバレあらすじ感想

映画青い春ネタバレあらすじキャスト評価

映画『青い春』作品情報

今回の絶対おすすめ映画は『青い春』です。

松本大洋さんの原作を松田龍平さんを主演に迎えて豊田利晃監督がメガホンをとったこの『青い春』ですが、個人的にもとても好きな映画で周囲にもこの映画のファンという人間がたくさんいます。

青春映画ではあるもののただの青春映画ではありません。

喧嘩のシーンとかそういう派手さのある映画ではなく、学生時代の将来に対する思いや現状への不満などを絶妙に描いた映画です。

それでは『青い春』の映画紹介です。

映画『青い春』は2002年に公開された日本映画です。

原作は松本大洋の短編集『青い春』

監督は豊田利晃監督『ナインソウルズ』『泣き虫しょったんの奇跡』『空中庭園』『アンチェイン』『モンスタークラブ』などを監督しています。

キャストは

九條…松田龍平

青木…新井浩文

雪男…高岡蒼佑

木村…大柴裕介

大田…山崎裕太

吉村…忍成修吾

江上…竹永善隆

オバケ…瑛太

野球部の一年…塚本高史

セブン…三浦アキフミ

鈴木…鬼丸

他校の番長…渋川清彦

花田先生…マメ山田

さぼーるおばちゃん…小泉今日子

シンナー中毒…又吉直樹

ほか。

映画『青い春』ネタバレ・あらすじ

朝日高校は卒業式を迎え先輩のいなくなった新3年生の九條(松田龍平)、青木(新井浩文)、雪男(高岡蒼佑)、木村(大柴裕介)、大田(山崎裕太)、吉村(忍成修吾)らは、屋上の柵の向こう側に立ち、手すりから手を放している間に何回手を叩けるかを競うベランダゲームを始めます。

このベランダゲームは朝日高校の伝統で一番多く手を叩けた者が学校の頭、番長になるというものでした。どれだけ度胸があるかを試すためのゲームで、もしも落下すれば真っ逆さまに落ち確実に死んでしまいます。

このベランダゲームでこの日、8回手を叩くという新記録が出ます。新記録を出し勝利したのは番長などに一番興味のなさそうな九條でした。

学校のしきたりで九條が番長になることになりますが、九條は特に喜ぶ素振りも見せず親友の青木の方がはしゃいでいました。

特に何に打ち込むわけでもなく学校生活を過ごす九條は野球部の木村から甲子園に行けなくなったことを聞きます。九條は木村に卒業したらどうするかを尋ねました。

木村は進学はできないと答えました。

進路について考える時期になっていましたが、それぞれ何をすればいいものかとぼんやりと考えていました。

雪男は進路面談で先生から卒業後どうするのかやりたいこととかないのかと尋ねられ、世界平和とか望んでますと答えていました。

雪男と大田がトイレでたばこを吸っている時に、パシリの吉村はアイスを買って来いと言われ、当たりを出したら暴走族に入れてやると雪男に言われその気になって売店へと急ぎます。

大田は雪男に対してお前にそんな権限はないだろう、俺は先輩に可愛がられているから俺が言えばなんとかなるけどと1人で自慢話を話し続けています。

そんな大田に対して雪男は突然包丁を取り出して「死ぬか?」と言い、いきなり大田をメッタ刺しにしてしまいます。大田はトイレの個室で血まみれになって死んでいました。

雪男は平然とギターを弾いているところを駆け付けた警察に発見されそのまま連行されていきます。泣き叫ぶ大田を唯一不良たちから慕われている花田先生(マメ山田)が追いかけます。

しかしそのまま雪男はパトカーに乗せられて連行されていきました。吉村はアイスを持ったまま雪男が連れていかれるのを呆然と見ていました。

野球部を引退した木村は一年生(塚本高史)に思いを託し、九條がベランダから見ている前で学生服を脱ぎ捨ててヤクザになった先輩の車に乗り込んでいきました。

学校の金網を乗り越える際に木村は目で九條に挨拶を交わしました。

一方学校ではレオという2年生が調子に乗り頭角を現していました。ベランダゲームでレオが7回叩いたという話を聞いた青木は九條に報告しレオをどうするか話しますが九條はそういったことに全く興味がありません。

青木がやかましいので九條は仕方なくレオとベランダゲームをすることになります。九條はいつも通りクールなまま続けますが途中でレオが手を滑らし落下しそうになります。

九條はレオの制服を掴み救い勝負はつきました。レオをシメる青木の横を我関せずで通り過ぎる九條に青木は突っかかります。「何様だよ!」と九条に吐き捨てる青木でしたが九條は一向に相手にしませんでした。

次の日、教室に入ってきた青木は九條に謝り仲直りしようとしますが九條は青木を完全に無視して、教科書を出して授業に耳を傾けます。

青木は学校内で後輩からは舐められ、パシリだった吉村も変化を遂げて青木に従わなくなっていました…。

青木は髪の毛をモヒカンにして明らかに凶暴になった様子で学校に現れました。青木は次々と生徒たちに暴力を振るっていきます。

九條と廊下で会った青木は喧嘩を売り殴り合いとなります。青木は捨て台詞を残し2人は別れました。

九條が登校すると校舎が真っ黒になっているように目に映ります。見上げると青木が1人でベランダゲームを開始していました。

九條は衝動に駆られ一目散に屋上へと駆け上がりますが…。

 

映画『青い春』感想・評価

僕の記憶では渋谷のシネマライズという映画館で上映していたと思います。

この作品僕めちゃくちゃ好きです。何度も観返しては、ドーンと心に重たいものをもらっています。なんか人生を考えるというか、若かりし頃の自分の思いを思い出したり、登場人物に感情移入して辛くなったり。

こういう風に書いていると「いいことねぇじゃねか!!」と思われそうですが、こういう映画とっても良いんですよ!!心に何年も残る映画。たくさん映画観てると正直内容を覚えてない映画すらあります、ごめんなさい。

ひどい時は観てないと思って観たら全然見たことある映画だったり。

でもこの『青い春』は一度見たら二度と忘れない映画です。というか豊田監督の映画はすべてそうなんです。

この監督は日本でかなり稀有な存在だと僕は思っていて、どの作品観ても心にドーンと来るのです。

しかもしばらく後遺症に悩まされます。そしてまた観たくなる。すごい監督なんです。

松本大洋の原作も読みましたがそれなりに短編だった気がします。

それをここまで素晴らしく映画化した豊田監督に拍手です。こういう作品ならマンガからの映画化とか大賛成です。

松田龍平・新井浩文・山崎裕太・高岡蒼佑・忍成修吾・塚本高史・瑛太・マメ山田などかなり豪華な顔ぶれとなっています。

塚本高史さんと瑛太さんに関してはかなり脇役です。そこにまた歴史を感じます。

瑛太さんはこの後の『9SOULS』という豊田監督の映画でがっつり出番のある役を演じているので、見事にチャンスを活かした俳優です。

松田龍平さんは映画『ご法度』のすぐ後じゃないかなと思います。

映画『走れ!イチロー』なんかもこの頃だった記憶。

この人は血筋というかなんというか、オーラがずるいです。若い時って普通オーラない人が多いですが、大島渚監督に使いたいと思われるオーラの持ち主です。

松田龍平さんの場合は七光りとかそんなくだらないレベルじゃないです。

このオーラは父親そして母親譲りなのはもちろんですが、だとしてもこんなに映画の似合う俳優ってなかなかいないです。たまに出るドラマもいいんだけど、やっぱり映画じゃないとちょっと気持ち悪いです松田龍平さんは。

それだけ「映画に愛された男」なんだと思います。ある時期からコミカルな事もやりだしてどんどん魅力が増している俳優・松田龍平。

日本映画界の宝と言っても過言ではないでしょう。めちゃめちゃ好きな俳優です。

この作品でもオーラがすごすぎて、特異なキャラクターでもある九條はホントにはまり役でした。

一見下手に聞こえるセリフの抑揚のなさですが、松田龍平ならいいんです。存在しているからいいんです。説得力を持ってしまうからいいんです。

僕はこの映画の松田龍平演じる九條の「先生。咲かない花もあるんじゃないですか?」というセリフが大好きで。今書いても鳥肌立つぐらいです。

新井浩文さんはこの映画が初出演だったはずです。

ご本人も言ってましたがやはりかなり大変だったみたいです。ただめちゃめちゃいい役ですからね、大抜擢だと思うし、新井浩文さんが期待にしっかり応えたからこそ、いまの新井浩文さんがいるのだと思います。

時間経過を表すのに昼間から夜を超えてずーと新井浩文さんがベランダの柵にもたれてるシーンがあるのですが、もちろん映画内ではかなり早回ししてるのですが、撮影はリアルな時間ずーーーと立ってなきゃいけないわけで。過酷すぎる撮影です。

ご本人曰く、「大丈夫か?」と聞かれたら正直に「大丈夫じゃない」と答えようと思ってたけど、聞かれなかったからずっと立ってたらしいです。

そしてこの作品で一番生き生きしていると言っていいでしょう、山崎裕太さん。いわゆる調子に乗ってるヤンキーを演じているんですが、なんなんでしょうあの上手さは。

素なんじゃないか?と観る者に思わせるほどにハマってるし生き生きしてるんです。

日本アカデミーの候補になってもいいぐらいだと僕は真剣に思います。

キャリアも長いので現場のムードメーカーでもあったみたいで、新井浩文さんも山崎裕太さんの存在が助けになったみたいなことを言っていた気がします。

いい兄貴的な感じだったのではないでしょうか。僕山崎裕太さんってもっといろいろ出てていい役者だと思うんですけど、そこまで出ないですよね。僕この人は上手い俳優っていう認識です。

忍成修吾さんはパシリの役で身体も張りながら頑張ってます。髪もわざとダサい髪型して、抜けた少年の役を演じています。とにかく若いです。

塚本高史さんは野球部の後輩役なので出番もそう多くないですが、大事な役どころだししっかり印象に残ります。やっぱり当時からいいものを持ってた証ですよね。

舞台となっている高校の売店のおばちゃん役の小泉今日子さんも、とってもいい存在感出しています。

無名時代のピースの又吉直樹さんが出演していて、後に著書『火花』が映画化された時に豊田利晃監督が脚本を書いたのもすごいです。

おすすめ映画です。ぜひ。

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